第47回 人展
人物をテーマとした公募展『人展』の小品部門に応募し、日本人物画協会会長賞をいただくことができました。
このような栄えある賞をいただけるとは想像もしておらず、驚きと感謝の気持でいっぱいです。
この受賞を励みにこれからも精進して参ります。
美術館で行われる公募展は初めての参加で"芸術を通して社会の役に立ちたい"という思いから応募に至りました。
画家としての自分の役割、また、これからの社会における絵画の役割について最近よく考えます。
ただ絵を描くだけでなく、また美術業界の中だけの価値に留まらず、自分に何かできることはないのか。
沢山の方と関わること、知名度を上げていくことの中に何かヒントがあるのではないかと思います。
これからも地域に根付いた公募展にはできる範囲で挑戦していきたいと考えています。
今回、出品した作品のタイトルは「胡蝶の夢」。
「胡蝶の夢」は道教の始祖の1人とされる荘子の説話をモチーフとしています。
現実の自分は蝶が見た夢なのか、夢の中の蝶が問いかける。
想いは曖昧な時間軸を超える。リアリティーとは何なのか、もう一度見つめ直す。
この絵は結婚する前の妻と久々に再会した時に撮った写真を観ながら描きました。
7年くらい前の写真です。
一方、現在の僕が妻と過ごす日々の中で、妻を観察しながら描いたとも言えます。
なので、ある意味7年くらい前から現在までの想いが含まれた時間を描いたことになります。
時間というのはとても曖昧なものだと感じていて、前世があるならその時から妻と過ごしてきたように感じるし、そしてそれは来世でも続いていくような感覚。
過去や未来を夢とするなら蝶はいつでも時間を超えて行き来している。
そんな時間の概念を超越した不思議な感覚とその感動を絵にしたいと思い作品にしました。
お時間ございましたら是非ご高覧下さいませ。
第47回『人展』
大阪市立美術館 (天王寺)
2019年3月12日(火)〜17日(日)
9時30分から17時まで
*終了いたしました
「胡蝶の夢」
P10号
パネル/油彩
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